イベント会場に冷房器具を設置する場合は、温度計や湿度計のセンサーを取り付けるのが一般的です。そう言われると、温度計だけで十分ではないかと疑問に感じる人もいるでしょう。たしかに空気を冷やすことが目的なので、温度計が中心的な役割を果たすのは間違いありません。しかし、センサー類に湿度計が含まれていないと、快適性を正確に計測することは難しいです。

同じ温度でも湿度の高さによって、居心地や過ごしやすさに大きな違いが生じます。そのため、温度だけを見てイベント会場が快適な状態だと勘違いしてはいけません。除湿もあわせて行わなければ不快に感じる人が多くて、イベントの盛り上がりに大きな影響が生じることになるでしょう。また、使用している冷房器具が気化式の場合は、湿度計のセンサーの役割はますます大きくなります。

なぜなら、湿度が高い環境では気化という現象が起こりにくくなるからです。気化とは液体の水が気体となって空気中に混じることを指します。そして、空気中に含まれる水の量には限界があります。湿度が高い場合はすでに限界近くに達しており、これ以上の気化が行われる余裕がないということです。

そのため、湿度をしっかり計測して、冷房器具が十分に機能するか把握しなければなりません。カタログスペックどおりに冷やせるかどうかは湿度次第だと覚えておきましょう。機能が不十分な場合は、湿度に左右されにくい冷媒式に冷房器具を用意するなどの対策が必要です。