電気抵抗式の湿度計センサーは、空気中に含まれる水分の割合(湿度)の情報を電気的な信号に変換するための電子部品のひとつです。これは水が電気を流すという性質を応用したもので、ポリマーやセラミック素材などで作られた吸湿性の膜(感湿材)が水分を吸収すると電気抵抗が低下することで湿度の情報が得られる仕組みです。電気抵抗を測定するだけなので構造が単純で安価ですが、空気が乾燥すると感湿膜の電気抵抗が無限大になるので低湿度だと正しく測定ができないという欠点もあります。電気抵抗式の湿度計センサーは測定範囲が限られているというデメリットがありますが、いくつかの利点があります。

電気抵抗を測定するための電子回路はノイズの影響を受けにくいので、計測機器を小型化することができます。これに加えて湿度計センサーの部分は高湿度に対して強く、結露が付着したとしても乾かせば短時間で復帰します。経年劣化にも強く、長期間にわたり使用し続けることが可能です。電気抵抗式の湿度計センサーの中には、感湿材に耐久性の高いセラミックが使われているタイプの製品があります。

無機材料のセラミックは熱に強いので、高温環境における使用にも耐えます。ちなみに一部の製品は感湿材を加熱して完全に水分を蒸発させることで、新品の時と同じ精度を取り戻す「クリーニング機能」を持っています。クリーニング機能を備えた湿度計センサーを利用すれば、長期間にわたり使用できるでしょう。