HACCP(ハサップ)は、食品を製造する際に使われる管理手法のことで、調理工程において危害を起こす要因を分析し、それらを中心にして連続的に安全を確保するというものです。食品を製造する際には様々な工程を経て製品となっていくものですが、途中には食中毒などの事故を起こしかねない要因となる部分があり、それらを集中的に防ぐことによって食品による事故を防ぐといったことが目的になります。大量に生産する食品工場だけでなく、飲食店などでも有益な方法で、国が率先して導入を求めている制度です。HACCPのポイントとしては調理過程において化学的な危害要因や物理的危害要因、生物的危害要因などをコントロールするというもので、生物的危害要因であるサルモネラや大腸菌などの食中毒だけでなく農薬やかび毒などの化学的な要因や異物混入などの物理的な要因に分けて考えられます。

これらは混入してしまうような場所は決まっているため、HACCPを導入する場合には危害が及ぶ工程を重点的に分析してそこで防ぐための手立てを立てるというものになります。一般的な衛生管理でも需要求められるものですが、HACCPの場合にはチームを作って責任者の所在を明確にし工程をしっかりと把握する仕組みを作ることによって、行動計画を作りそれを元にして行動するのがそれまでの衛生管理とは異なるところです。衛生管理では個人の知識と行動に頼るところですが、HACCPでは現場全体で取り組める仕組みを作ります。