HACCP(ハサップ)とは国際的に認められている食品衛生管理基準です。2018年6月に日本もHACCPの義務化が衆議院で可決され、対象となる事業者は2021年6月までに導入する必要があります。身近な食品ですと牛乳パックにもついていることがあります。かつて日本の鰹節はHACCPの基準を満たしていないということからEUでは取り扱いがされていませんでした。

今現在はEUの基準を満たしているため大丈夫です。もちろん食品衛生管理基準は昔からありましたが、従来の食品衛生管理基準では工場で出来上がった商品を抜き打ち確認するのにとどまっていました。これだと調理方法が適切かどうかがわかりませんし、食品製造過程において異物が混入しやすい工程が取られていたら、たまたま調べた商品は大丈夫でもそのほかの商品に異物が混入していることも考えられます。HACCPでは原材料受け入れから出荷までの各工程における危険要因を分析し、それを除去するために製造過程でも特に重要な工程である加熱と包装を定点観測し、記録します。

加熱時間は適切か、包装の過程で異物が混入していないかどうかを確認・記録し、このシステムに基づいて製造された食品はパッケージに認証マークが付けられます。HACCPの導入は食品ロスやクレームの削減につながる、品質にばらつきがなくなったなどメリットも多いです。導入したことによって食品製造に携わる従業員も食品衛生に対する意識が高まったなどの声があります。